「な・・・何ィ・・・ッ？すでに、申請を出しただとぅ・・・？？？」
家主は唸るように声を絞り出した。あまりの驚きに喉が渇き笛のように鳴る。
「だってそうせぇって書いてあったもん。世帯主の口座に一括して振り込むんやって。」
それはそういうやり方もあり、簡便ではあるだろうが、それにしてもひと言も相談なしにとは。
（まあ、この親にそういうデリカシーを望んでも無駄か・・・。）
家主は心の中の言葉をゆっくりと飲み込んだ。
「振込みは来月中旬やて。」
暢気に笑っている母とは対照的に、家主はがくりと肩を落とした。
申請から一ヵ月半も掛かるとは。現物支給の町村が羨ましい・・・。

家主は今日、新しい保険証を早速使用することとなったのだが、前年度の健康保険料を三回分、まだ納めていないのだ・・・。

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